月夜桜閲覧室

管理人の戯言(日常・二次三次元の萌え)+創作小説です。

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リレー小説『四季の庭」 

  1. 2006.
  2. 10.
  3. 07
  4. (Sat)
  5. 01:05
注)このタイトルには、BL要素が含まれています。

BLが苦手、生理的に受け付けない方、BLという言葉を知らないという方は、此処から先を読まないでください。

此処から先を見て、不快な思いをしても当方では一切の責任を負いません。

自己責任で、一つよろしく。



大変お待たせ致しました。
最終話です。
私が担当した中で一番物語りチックなのではないでしょうか。
スイマセン。ポエミーな感じのばっかりで。

今、詩呉ちゃん原案のリレー小説書いてるんですが・・・。

物語調の文章が出てきません。
物語の一部になるような文章が出てきません。
何度も、前の話を読み返してはいるんですが・・・。
此れは、スランプですか?
愛方。長々と待たせてて御免・・・。これからもう少し悩んでみるよ。

ではいける方だけ、どうぞ。最終話。
「リレー小説『四季の庭」 」の続き▽

『四季の庭』最終話担当氷櫻


記憶が、巻き戻されて行く。
終わりで、始まりの・・・記憶が、巻き戻されて・・・いく。
忘れることの許されない、記憶。

それが、終わりで、始まり。


銀の陽光が世界にあふれる。
世界が、銀色にちらちらと輝いていた。
木漏れ日が、瞳を眩しく刺す。

太陽が照りつけ、蒼穹が覗く。其れなのに肺に届く酸素は冷水のように冷たく、気管を、肺を凍えさせる。
身体に送り込まれる酸素は、冷たく、肌に感じる空気は灼熱。
額から、汗が一筋流れた。

それでも、走るしかなかった。
逃げるために。逃れるために。
もう、どれくらい走り続けたのかも、もう定かではない。

肺は悲鳴を上げて、ひゅうひゅうと鳴り続ける。
草鞋は、素足を擦り其れを血で染めていた。
もう、走る事もままならない。
それでも、走るしかなかった。
誰も居ない場所まで。
もう、どれだけの追っ手が側に居るのかも、実際にはわからない。
それでも、消えない追っ手に対する恐怖。

「あ・・・ざ・・・」
ひゅう。と喉がなる中、共に逃れるために走る、最愛の名を呼ぶ。
声にならない声で。
呼吸に混じるその、小さな声を聞きとり悝嶺は、ずっと、ずっと繋いだままの手を軽く握り返し、ゆっくりと、動かし続けた足を止める。
互いに、悲鳴を上げる気管。渇く喉。

「此処まで来れば、もう、大丈夫・・・だろう」
呼吸を整えながら、周囲を見渡し、言う。
「・・・うん」
「・・・足・・・辛くないか?」
泥と血に汚れた、白い素足に視線を落とし、そう問う。
「・・・へい、きだよ」
悝嶺の、自分と同じような有様の足に視線を落としてから、微笑む。
「本当に?」
そんなはずがない。
足の皮が剥け、血が滲み、泥が入り込んだ傷口。
痛々しい。
「悝嶺が、居るから。平気、だよ」
唐棣色の瞳が、薄く微笑んで悝嶺をみた。
その、緑柱石の瞳を。
逃げる理由の其れを。



その、人外の瞳の色。故に迫害され続けた。

そして、追われた。
人外の、不吉なる忌むべきものとされ。
殺せ。と。
その、瞳を、奪えと。
奪って、燃やして、灰に。
この世界から、消せと。

「狐玥。もう少し、歩ける?・・・あそこに建物が見える。・・・こんな山中だ。人は居ない・・・と思う。あそこで・・・・・・」
語尾を其処で止める。
それでも。狐玥には悝嶺の言いたい事が解る。
そのための、此処まで来たのだから。
「うん・・・」 
決意を秘めた瞳で、前を見据える。
激痛の走る足を、ゆっくりと動かす。
地に足を着けるたびに、地から足を浮かすたびに、激痛が足に走る。
本当は、耐え消えれないほどの痛みが、其処に走る。

其れは、悝嶺も同じ事。
同じ痛みを、感じている。そう考えるだけで、嬉しくなる。

誰かに、命を奪われ、離れ離れにされ、永遠に繋がることができないのなら、誰も居ないところで・・・・・・共に命を、絶とう。と。
そのために、逃げてきたのだ。
他の誰かが居る場所では、命を絶った後で引き離されてしまうかもしれない。
だから、逃げたのだ。
死に物狂いで。
炎天下の日も。嵐の日も。月夜の日も。

やっとの思いでたどり着いたその場所は、この世のものとは思えない、美しい場所だった。
遠目で見えた建物は、朽ちていて、塀も見えなかったのに。

そこには白亜の塀と、朽ち果てる気配すらない、豪華な寝殿造りの屋敷。
そして・・・・・・塀に縁取られているはずの庭には、無限に広がる美しい牡丹。
空間の閉塞など、其処にはない。無限の牡丹。
手入れのされているようで、されていない、乱雑にしかし優雅に咲き乱れる牡丹。
蒼穹に映える、紅い、華。
「す、ごい・・・」
思わずそう、嘆息の声が漏れる。

人の気配が感じられないその、空間。
しん。と静寂が満ちる空間。
風も、凪いだままの、停滞した場所のように感じられた。

しかし、その場所はとても優雅で美しく、清涼だった、
感嘆にくれながらも、その美しい空間を進む。
その屋敷に近づくために。

休息を、永遠の休息を得るために。

縁に近づく。
綺美しく磨かれ、陽光をはねて白く輝く床。
泥の、埃の一つも見当たらない縁。

其処から望む庭は、とても美しく、そして幻想的だった。
咲き誇る牡丹。その側に咲き乱れる薄紅と、色付く紅葉。
あり得ない其の取り合わせが、異とも当然に同居する其の様はとても美しかった。

まるで、楽園。

縁に座り、その庭園を眺める。
渇ききった喉も、忘れるほどの美しい庭園を。
ことん、と狐玥の頭が悝嶺の肩に乗る。
「……疲れたよ…」
瞼を閉じ、呟くようにそう、言った。
此処で、終わりにしよう。
逃げるのも。走るのも……生きるのも。
「うん…そう、だね」
泥と、土煙で汚れた、本来とても美しい黒髪をなで、悝嶺も瞳を閉じ、小さく答えた。

繋いだ手は、もう、二度と、離れることなく。
絆も、運命も…魂も、全て、繋いだままで。
ゆっくりと、意識を、暗闇の落としていく。
永久の闇に。

再び、その眼に光を得るのは、此処とは違う世界。
そう、信じて……。





牡丹は、その白銀の耳を、ひくり。と小さく動かした。
「…我の庭に…何か、虫けらが入ってきた様だの…」
肘掛に、寄りかかり、閉じていた銀の眼を、うっすらと開けながらそう呟き、身体を正し片手に持った煙管を咥える。

立ち上る、紫煙は芳しい花の香りを放つ。
「結界で、人は入れぬよう施したのだが……ああ、これは道理で…」
九つある尾をふさり、と揺らし、瞳を楽しげに細める。
牡丹には、此処からは端しか見えない牡丹が咲く庭の光景が見えている。
牡丹の『眼』に映るのは、人外の瞳を持つ、二人の少年が庭を眺める光景。
「此れは、人でも妖にも属さぬ者…か…所詮、下賎な人間どもに其れを迫害されて逃げてきた・・・と言うところかの…」
それにしても、その二人の瞳は美しかった。
唐棣色と緑柱石の瞳。
それは、まるで、宝石。

ふぅ。と煙管の煙を吐き出し、牡丹は笑う。
「我の庭を、死で汚そうとは…なんとも、図々しく、無遠慮な……少し灸を据えねば、ならんようだのぉ…」

その、瞳を、閉じさせる事なく。
人か妖かに寄らせるために。

我の庭で、死を選択するなど、許されぬ事。


暗闇に声が響いた。
中世的だが、とても涼しい声だった。
そう、色に例えるなら、白銀の声。

「我の庭で、死を選択するなど、許されぬ事ぞ。人間…いや、妖と人の合間のモノ」

閉じたはずの眼を、悝嶺は開く。
そして、繋いだ手を確かめる。
隣には、同じように瞳を開き、怯え自分にしがみつく狐玥。
「…貴方は…」

目の前に立つのは、そう。其れこそ白銀。
白銀の長い髪。瞳。耳と九尾。
纏う空気だけが、紅蓮の色。
「我か。我は、九尾…名は牡丹」
煙管を咥え、一呼吸し、花の香りを放つ。
「此処は、我の庭だ。此処で死のうなど、なんと慮外な。身を、弁えろ。そういうことだ」
「…でも…」
二の句は告がせず、牡丹は続ける。
「だが、貴様等はもう黄泉に足を踏み入れておる。今更戻れと言ってももう遅い。…だが貴様等は、どうやら人でも妖でもない半端モノ。人の部分は黄泉の落ちたが、妖の部分はまだ常世にある。…ならば、その器を妖で埋めて生きよ……此れは、呪いぞ」
煙管を二人に向ける。
紫煙が、弧の軌跡を描いた。

「我の庭で、死などという穢れは許さぬ…其れと…我は貴様等のその瞳が気に入ったのでな」
にやり、と口角を吊り上げた。

――これは、呪いぞ……永久を、生きよ。この幽世でも現世でもないこの、我の四季の庭で――

其れが、終わりで始まり。
それ以来、牡丹を見てはいない。
しかし、ふと、した瞬間に視界の端に、紅く美しい牡丹がゆらり。と咲くことがある。
それは幻のように、一瞬で消えてしまうのだけど。


そして、次に眼を開けると、其処には狐面を被った女がずらり、と控えおり、揃えてこういった。

『我等は、牡丹様の式。此れより永久に、牡丹様の呪いとなり、貴方がた二人を監視し、お仕え致します・・・』
と。

庭の牡丹が、一斉にさわり。と風に揺れた。


幾年か、年月は流れたが、此処から外の様子は伺えなかった。
世界が戦火に飲まれようとも、此処にその火の子が降ってくることもなく。
まして、世界が戦火に飲まれていた事すら、知ることもなかった。
もし、世界が滅びても、此処は存在するのだろう。
そんな世界で、狐玥も悝嶺も何度となく正気を失い、何度も命を絶とうとしたが、気付けば、此処に戻っていた。
何度も、何度も、此処に。
死を、得ることなく。

そして、失った人としての部分を、死で満たし何時しか、彼等は妖に支配されるのだろう。
その姿は、呪いを施した九尾の其れか、果たして…。


繋いだ、絆は離さない。
繋いだ、手も離さない。
繋いだ、運命も離さない。
繋いだ、思いも、二度と離さない。
一つの、魂も、もう、二度と離さない。
永久に生きることも、もう、苦とは思わない。
君が側に居るなら。それでいい。
君が片時も離れず、側に居てくれるなら、極寒の地でも、光のない世界でも寂しくはない。

そう、それが例え呪いでも、二人で居られるのなら、苦にはならない。


その言葉は、祝福にも聞こえた。
誰にも邪魔をされない世界を、得られた瞬間の言葉。
その言葉を、忘れる事はないだろう。

――これは、呪いぞ……永久を、生きよ。この幽世でも現世でもないこの、我の四季の庭で――













牡丹が桜が、咲き乱れ、紅葉が色づく庭が、さわり。と微風に揺れた。
何事も、ないかのように。

************
と。言う事でした。
どうでしたか?
最終話は、牡丹の口調を書くのが、楽しかったなぁ。
と。

感想があれば、是非いただきたいです!!
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プロフィール

氷櫻音羽

Author:氷櫻音羽
北に生息する妄想族。
主食は妄想。
ずっと二次元とラルクが好きだったけれど、KAT-TUNのデビューと共に三次元にも目覚めた駄目人間。

人生の岐路で迷走中のアラサーヲタク(涙)

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